心の色
 一ヶ月前、わたしはある色が気になっていました。
地下街を歩いて、ふと目に付いたウインドウの中。それから毎日毎日その色が気になってしかたがないのです。

 ちょうど数日後に新年会のパーティを控えていたので、何を着て行こうか探していたところです。
そういう席に着ていく服は必ずと言っていいほど、色が話題になります。仕事柄ですから仕方ないのですが、その色はどういう意味ですか・・・とたずねられます。

 普段仕事の時は圧倒的に黒が多くしかもパンツスーツがメインです。
色の仕事をしているのに地味だという人もいるのですが、色の仕事といっても私の場合はイメージコンサルはしないので自分が色鮮やかに着飾ることは極力さけています。
それよりもむしろ提案色を邪魔しない色を心がけています。そして提案に説得力とプロらしさをプラスするためにも極力カラーコーディネーターというカタカナからくる軽いイメージをわざとはずすようにしています。

 色を楽しむのはオフの時とイベントの時と決めていますので、年初めに着る服はほとんど色で買っているような感じです。
本当に欲しい色に出会ったときは少々値段が高くても年に一度くらいは奮発することにしています。ただ色で買った服はそれだけ色の印象が強いので何度も着る事ができず、一回しか袖を通していないものもあり、それこそすご~くお高い買い物になっています(涙

 今年わたしが気になった色は Vividな赤です。
もともと赤は大好きな色。ビジュアルカラーのロゴタイプも赤をポイントにした伝統色江戸時代の「粋」の配色にしているくらいです。
ただここ1~2年は敬遠していた色です。どうしても気分が乗らなかったのです。そういうときは無理をしない方がいいと思うので現在のわたしのワードロープには赤はほとんどない状態です。かろうじて愛用していた赤いエプロンも最近は使っていませんでした。なんだか赤を敬遠したい心理状態だったのですね。
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 毎日毎日通りかかるたびにウインドウの前で足がとまります。
う~ん、赤かぁ~

こんなにきれいな、それもちょうど好きなホンの少しだけオレンジによった赤のスーツには今まで出会ったことがない。これを買わなきゃきっとあとでずっと後悔するだろうな・・・
思い切って試着してみることにしました。これだけ何日も思い続けた結果ですから試着する時点でほぼ購入は決まったようなものです。

 ところが私はその赤のスーツを買わなかったのです。
着てみたら、やっぱり思ったとおり。もともと私には似合う赤だったので鏡の中には想像通りの私の姿がありました。
ただ、このスーツ、シルエットがわずかに細身でお正月から少し体重が増えていた私には、くっ、く・る・し・い・・・(涙
多少の直しをすれば大丈夫とはいうものの、さすがにこの値段。普通にスーツが2着買える金額をみると、ジャストフィットじゃないというのはどうしてもひっかかってしまうのです。

 最後まで悩んで悩んで結局、まったく違う色、白のスーツを買いました。
実はこちらの白もとても気に入ってしまい、一度は思い切って2着買おうかと思ったくらいです。白は白でも少し黄味のかかったわたしの肌にあう白もなかなか今までいい出会いがなかったので、この白はぜったいにおさえておきたいと思ってしまったのです。

 そして今日、私のその選択は結果的にとても良かったことを知りました。

ひさしぶりに通ったお店にその一点物の赤のスーツがサイズ違いでまた一着だけ入っていたのです。このサイズなら大丈夫そうだし、しかもバーゲンで少し値段も下がっています。もしあの時買っていたらきっと悔やんだでしょうね。

 でもね、買わなくて良かった理由はそんなことではないのです。
一ヶ月前、あんなにきれいに見えて、そしてその赤を装ったときの姿がはっきりと美しく想像できたその同じ色が・・・
今はすっかり色褪せて、もう私に「着て」とは呼びかけてこないのです。

 今日ほど色と心の関係を強く実感した日は無かったかもしれません。
赤は自律神経を刺激し、脳の興奮レベルを上げ、血圧や脈拍まで上げます。背中をおしてくれる色として、ここ一番の力が欲しい時にこころ強い見方です。気力が落ちているときは身の回りに少し赤をプラスして自分に活力を与える事も必要です。
でも、どんな色にもプラスとマイナスの2面性があるといつも私が言っているように、時に赤はその刺激の強さからともて疲れる色になります。

 今は赤は痛いな・・・
だから、あの時ほんとに赤を買わなくてよかったなと思います。
ちなみに、白のスーツは大好評です。写真撮影の時のレフ版と同じ働きをしてその反射で顔を明るく見せてくれます。そして、自分に似合う白ならばその効果はさらにアップ。似合う色は顔を明るく見せる色ですから。

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 今年は年明け早々いい色と出会いました。今年は白が流行しそうですからその「白」が幸運を運んでくれるかもしれません。
何か新しいエネルギーがみなぎる予感がした「赤」とはどうも縁がなかったようです。
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by visual-c | 2006-02-03 19:22 | iroiroな色
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